症状と循環器疾患
- 動悸:不整脈、貧血、甲状腺機能亢進症
- 脈の欠損:不整脈
- 息切れ・呼吸困難:心不全、狭心症、心筋梗塞、肺塞栓症
- めまい・ふらつき:不整脈、高血圧、低血圧
- 胸痛・胸やけ:狭心症、心筋梗塞、心膜炎、解離性大動脈瘤、肺塞栓症、
心臓神経症 - 頭痛・肩こり:高血圧
- むくみ:心不全、静脈瘤、甲状腺機能低下症、リンパ浮腫
- 足のしびれ:下肢閉塞性動脈硬化症
高血圧症
欧米では、別名silent killer(静かな殺し屋)と恐れられています。高血圧が恐いのは、その状態が持続することで脳・心臓・腎臓などの主要な臓器に重大な影響を及ぼすからです。 高血圧の90%は原因の明らかでない本態性高血圧、10%が閉塞性睡眠時無呼吸、腎臓病や内分泌異常等による二次性高血圧です。 生活習慣の改善(減塩6g/日、運動)により高血圧が改善されることもありますので、まず日々の血圧測定と生活スタイルの改善に努めてください。 二次性高血圧では、閉塞性睡眠時無呼吸によるものも多く、夜間の呼吸停止やいびきの指摘、昼間の眠気や倦怠感などの症状のある方は簡易検査をお勧めしています。
不整脈
不整脈は、比較的頻度が高い疾患で、まったく症状がなく健康診断で診断される場合と、不整脈を疑う自覚症状があり診断される場合があります。
不整脈の症状としては、
①動悸、②脈の欠損、③脳循環不全症状の3つに大別できます。
- 動悸:“心臓がドキンとする”、“脈が速い”、“ドキドキする”
- 脈の欠損:“脈がとぶ”、“脈が抜ける”
- 脳循環不全症状:めまい、ふらつき、眼前暗黒感、失神
不整脈には、治療の必要がない良性のものから生命にかかわり直ちに治療が必要なものまでいろいろな種類があり、正確な診断が重要です。
心電図に加えてホルター心電図や運動負荷心電図を行って診断・治療しています。
心不全
心不全は心臓のポンプ機能が低下したために、全身に十分な血液を送ることができず、心臓がもがいている状態です。心不全は一つの疾患ではなく、心臓のいろいろな病気(虚血性心疾患、心筋症、弁膜症など)が最終的にいたる症候群を意味します。
症状もいろいろで、疲れやすさ、息切れ・呼吸困難、動悸、浮腫などがあります。
心エコーや心電図などを行って診断・治療しています。
狭心症
狭心症は、心臓の筋肉に酸素や栄養を供給している冠動脈が動脈硬化などで細くなって血液が十分流れないために胸痛発作が起こる病気です。典型的な狭心症の症状は、階段を上ったり、急いで歩いたりした時などに締めつけられるような、焼けつくような、重いものがのったような、などと表現される前胸部の痛みまたは圧迫感です。発作の持続時間は5-10分間程度のことが多く、発作時にはニトログリセリンの舌下投与が有効です。発作時の心電図変化は、運動負荷心電図やホルター心電図で診断しています。
心筋梗塞
心筋梗塞は冠動脈の一部が完全に閉塞し、血液が全く流れなくなって心臓の筋肉の一部が死んでしまう病気です。狭心症から進行する場合のほかに、何の前兆もなく突然発症する場合も少なくありません。症状は狭心症に似ていますが、痛みの程度は強く、冷や汗や吐き気を伴うことも多く、15分以上持続します。心筋梗塞は突然死やショック、心不全の原因となりますので、迅速に心臓の専門病院に紹介しています。